糖尿病とは

小児ヤングの糖尿病

小児ヤング糖尿病について正しい知識を得る

糖尿病になったのは、誰のせいでもありません。
正しい知識をもって糖尿病を上手にコントロールしていけば、ほかのお友達と同じように遊んだり、勉強したりすることができます。

お医者さんや看護師さんなどから教えてもらう以外にも、情報は、さまざまなところから得ることができます。
まずは、日本糖尿病協会のホームページにアクセスし、小児ヤング糖尿病について正しく理解しましょう。

糖尿病治療のサポート体制

糖尿病治療は、お医者さんや看護師さんなどの病院スタッフが手助けしてくれるほかに、糖尿病協会や患者会などがあり、情報提供やサマーキャンプなどの行事を主催しています。

同じ糖尿病をもつお友達と出会うチャンスなので、積極的に利用してみましょう。

日本糖尿病協会:

https://www.nittokyo.or.jp/

03-3514-1721

糖尿病ネットワーク:

http://www.dm-net.co.jp/

「つぼみの会」や「ヤングの会」などの患者会のインターネットサイトでは、「サマーキャンプ」の案内などを見ることができます。

おなかいっぱい食べても大丈夫?

大丈夫です。むしろ、成長期や思春期には、発育に合わせて、必要なエネルギーや栄養をきちんととることは大切なことです。
そして、インスリン注射が必要な場合は、食事の量に見合った量のインスリンを注射します。

普段の食事

1型糖尿病

制限するものは特にありません。
まわりの子と同じように、普通に食べても大丈夫です。

2型糖尿病

年齢に応じた適正な食事に戻るだけです。
朝食を食べない、夜遅くに食べるなど、食習慣のゆがみがないかを見直します。

普段の食事

成長に影響はありますか?

血糖を上手にコントロールして、合併症を予防できれば、お友達と同じようにすくすくと大きくなることができます。
そして、大人になってからも、健康な人と変わらない毎日を送ることができます。

1型糖尿病 健康な人と変わらない毎日

糖尿病の主な慢性症状

血糖のコントロールが悪い状態が長く続くと、目の病気(網膜症)、神経の病気(神経障害)や腎臓の病気(腎症)などの合併症が引き起こされます。

スポーツをしてもよいですか?

小児糖尿病では、してはいけない運動はありません。むしろ、運動することによって血糖値が下がり、インスリンの効き目を高める効果があるので、運動は積極的に行いましょう。
早朝マラソンなどを含む体育の授業、体育系部活動、スポーツクラブなど運動量が多い場合は、時間割など予定を確認し、低血糖の起きやすい時間を予測して、インスリンの注射量を変えたり、ブドウ糖などを持参したりして低血糖に備えましょう。

運動後のおやつ

1型糖尿病

糖分を補うために食べることもあります。

2型糖尿病

清涼飲料水はやめておきましょう。カロリーオーバーに注意して食べましょう。

食べないときはインスリン注射をしなくても大丈夫?(1型糖尿病の場合)

何も食べなくても、血糖を上げようとするホルモン(インスリン拮抗ホルモン)は常に分泌されています。
インスリン注射をしないでいると、血糖値はどんどん上がっていきます。
特に、かぜなどをひいて体調が悪いなど、糖尿病以外の病気にかかったとき(シックディ)は、インスリン拮抗ホルモンが、通常以上に分泌されるため、何も食べなくてもインスリン注射をしなければ血糖値は上がってしまいます。
食べないときでも、インスリン注射は絶対に中断してはいけません。

※インスリン拮抗ホルモンには、成長ホルモン、グルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモン、グルココルチコイドなどがあります。

シックディのときは…

  • 食事をしないときでも、インスリン注射を中断しない。
  • 少量ずつ、何度も水分を補給する。
  • 血糖・尿ケトン体の測定、症状の観察
  • (食事ができるか、発熱、嘔吐、下痢があるかなど)を行う。
  • 主治医の指示がある場合は、 速効型(超速効型)インスリンの追加注射を行う。
  • 嘔吐を繰り返したり、 対応方法が分からないときは、すぐに主治医に連絡しましょう。

シックディのときは… 速効型(超速効型)インスリンの追加注射

低血糖のときは、どうするの?

低血糖かなと思ったらすぐに、ブドウ糖などの甘いものをとりましょう。
また、低血糖をこわがりすぎないためにも、低血糖症状をよく知っておきましょう。
そして、冷や汗、動悸が激しくなる、頭痛などの症状は、インスリン拮抗ホルモン分泌による症状ですので、これらの症状が出たあとには、血糖が上昇して高血糖になることも知っておきましょう。

低血糖について

(1) 低血糖をこわがらない

お子さんの行動パターンとインスリンの量、また、どういうときに低血糖が起こったかなどを記録しましょう。その記録を参考に、次回からの血糖コントロールを考えます。
血糖コントロールに慣れてくると、少し待てば回復するか、すぐに糖分を補給した方がよいかなどの判断ができるようになります。必要以上に低血糖を恐れることはありません。

(2) こんなときも低血糖

  • 泣き叫ぶ
  • 不機嫌で怒りっぽくなる
  • 聞き分けがなくなる
  • あくびをよくする
  • 急に静かになる

幼稚園・学校の先生に何をお願いすればよいですか?

糖尿病について正しく理解している学校の先生は、ほとんどいないと思って接しましょう。
担任の先生には、低血糖が起きそうな時間帯に、子供に低血糖症状が出ていないか注意していただき、様子がおかしいときはすぐに対応してもらうことだけをお願いします。そのことは、ほかのクラスメイトにも説明し、様子がおかしいときはすぐに先生に報告してもらうよう、あらかじめお願いしておきましょう。
そして、糖尿病の子であっても特別扱いはせず、クラスメイトの一員として接してもらいましょう。

みんなと一緒に給食を食べても大丈夫?

糖尿病だからといって、特別にお弁当を持たせる必要はありません。ほかの子たちと楽しく食事をすることはとても大切です。

1型糖尿病

食事量や内容は特に制限する必要はありません。通常どおり、残さずすべて食べましょう。足りないときは、おかわりしてもオーケーです。

2型糖尿病

基本的には、ほかの子と同じように食べましょう。

みんなと一緒に給食を食べても大丈夫?

どこでインスリン注射をすればよいですか?

その子の性格や希望、学校環境をみて、個別に対応することが大切です。

注射時間

給食を食べる前までに注射すればいい、くらいに考えてください。ただし、超速効型インスリンを使用している場合は、すぐに教室に戻って食事をとりましょう。

注射をする場所

どこでもかまいません。保健室や教室でもいいでしょう。

保管場所

忘れたときのために、予備のインスリン注射を学校に置いておきましょう。学校にお願いして、適切な場所に置いておくのもいいでしょう。
※使用開始前のインスリンは、凍結を避け、2~8℃で遮光保存してください。

遠足・修学旅行にも参加しましょう

ほかの子と同じように参加して、大いに楽しみましょう。
参加の前にスケジュールを確認し、自己管理をスムーズに行えるように、あらかじめ主治医と相談して、インスリンの注射量や注射する時間を前もって計画しておきましょう。

遠足・修学旅行

持ち物チェック・リスト(多少余裕をもって、携帯しましょう。)

  • いつも使っているインスリングッズ(インスリンペンなど)
  • 血糖測定器(必要なら持って行く)
  • 低血糖用の補食(ブドウ糖など)

将来、「就職」、「結婚」、「妊娠・出産」は可能ですか?

就職

現在の日本ではパイロットのライセンスを取得するのは難しいようですが、海外では取得できる国も出てきています。また、パイロット以外については職業の制限は特になく、どんな職業に就くことも可能です。
そのためにも、よりよい血糖コントロールを保ち、自分で低血糖に対処できる能力を育てて、子どもの自立を目指しましょう。
また、糖尿病でなくても就職は断られることもあります。
就職を断られても気にせず、自分の能力に磨きをかけ、次へのステップとしていきましょう。

結婚、妊娠・出産

パートナーの理解を得られれば、結婚も妊娠・出産も問題なくできます。
しかし、いくつかの注意点があります。
主治医の力を借りながら、解決していきましょう。
妊娠・出産は、生まれてくる子や母体への影響を考えて、合併症などのチェックをしてから計画を立てるようにします。
これを「計画妊娠」といいます。
折に触れ、主治医とこのことを話しておくといいでしょう。また、主治医からよく説明してもらいましょう。

結婚、妊娠・出産 お母さんとあかちゃん

ご家族の方へ。子育てのポイント

ご両親は決してご自身を責めたりしないでください。
1型糖尿病は親のせいでなったわけではありません。
また、2型糖尿病では親の体質を受け継いでいますが、そのことで子どもにへりくだってはいけません。
お子さまの将来のためには、1型糖尿病でも2型糖尿病でも、糖尿病を理由に甘やかさず、自立を目指すことが大切です。

ご家族の方へ。子育てのポイント 子供 少年 青年

お子さまへの接し方

糖尿病だからといって兄弟姉妹と分け隔てはせず、平等に接します。
しかるときも、ほかの子とまったく同様にハッキリとしかりましょう。
おじいちゃん、おばあちゃんには、孫に食べ物を与えるときは、何をあげるのかを親にも伝えるようにお願いしておきます。
また、子供がそのことを素直に両親に報告できるような環境づくりと対応を家族で話し合い、考えておきましょう。

小児糖尿病についてよく知ろう

正しい知識をもって上手にコントロールすれば、ほかのお友達と同じように過ごせます。

監修:
東京女子医科大学 糖尿病センター長 内潟安子 先生

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