重症低血糖の定義と現状

血糖値と低血糖症状

低血糖が進行すると重篤な症状があらわれるため、迅速な対応が必要です。

重症低血糖は血糖値や症状では決まらず、回復に他者の援助を必要とする低血糖と定義されています。

血糖低下に伴う生体反応

日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」, 南江堂. p334(2019)

日本糖尿病学会「糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第7版」, 診断と治療社. p274,275(2017)

Cryer PE. Hypoglycemia. In: Melmed S, et al (eds): Williams textbook of Endocrinology. 14th ed., Elsevier. p1525-1551(2020)

日本糖尿病学会 糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会報告

重症低血糖で救急搬送された患者の病型別の情報は下記の通りでした。

重症低血糖を発症し救急搬送された患者の背景

重症低血糖を発症し救急搬送された患者の背景

日本糖尿病学会「糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会報告」, 糖尿病., 60(12), 826-842(2017)より作図

重症低血糖で救急搬送された患者さんのうち、60.2%(480例)が2型糖尿病でした。
低血糖の前駆症状が無かった患者さんは35.6%(284例)でした。

重症低血糖を発症し救急搬送された患者の背景

重症低血糖を発症し救急搬送された患者の背景
重症低血糖を発症し救急搬送された患者の背景

日本糖尿病学会「糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会報告」, 糖尿病. 60(12), 826-842(2017)より引用


対象:日本糖尿病学会の「糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会」による計画立案のもと、同学会認定教育施設631施設に調査への参加を依頼した。調査期間は2014年4月1日から2015年3月31日の1年間とした。193施設から、症例はそのうち113施設から798症例の登録があり、それぞれ調査対象とした。本調査では重症低血糖を「自己のみでは対処できない低血糖症状があり、発症・発見・受診時の静脈血漿血糖値が60mg/dL未満(毛細管全血50mg/dL未満)が明らかであることが望ましい」と定義した。

調査項目:定期受診中の糖尿病患者数、1型及び2型糖尿病患者数、インスリン使用者数、スルホニル尿素(SU)薬内服者数などについて、総数並びに施設ごとの人数を検討した。糖尿病の病型と性別、年齢(歳)、罹病期間(年)、BMI(kg/m2)、推算糸球体濾過量(eGFR)(mL/min/1.73m2)、受診時の血糖値(処置前)(mg/dL)、HbA1c(%)や低血糖の前駆症状の有無などを調査項目とした。糖尿病の 病型別に上記項目を比較した。2型糖尿病患者に対しては使用していた糖尿病薬剤をインスリン使用群(SU薬併用も含む)、SU薬使用群、インスリン及びSU薬未使用群の3群に分けてさらに検定した。

日本糖尿病学会「糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会報告」, 糖尿病. 60(12), 826-842(2017)