バイオシミラー

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バイオシミラーの開発と承認

バイオシミラーの開発と承認要件の詳細について動画でご説明いたします。

  • 「バイオシミラーの開発と承認」
    東京理科大学経営学部 教授 坂巻 弘之 先生
    GLY-V006(R0)

バイオシミラーに求められる検証

医薬品区分による承認時提出データの比較

    新有効成分
医薬品
バイオ
シミラー
ジェネリック
医薬品
製造方法
規格及び試験方法
製造方法
構造決定及び物理的化学的性質
規格及び試験方法
安定性 長期保存試験
苛酷試験
加速試験
薬理作用 効力を裏付ける試験
副次的薬理/安全性薬理
その他の薬理
薬物動態 吸収/分布/代謝/排泄
生物学的同等性
その他の薬物動態
毒性 単回投与毒性
反復投与毒性
遺伝毒性
がん原性
生殖発生毒性
局所刺激性
その他の毒性
臨床試験 臨床試験成績

○: 必要、△: 個々の医薬品により判断、-:不要

山前浩一郎 ほか:PROGRESS IN MEDICINE: 2014;34(10): 1793-1803.
「バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針」薬食審査発第0304007号

バイオシミラー開発プログラム 1,4,5)

バイオシミラー開発プログラム

品質特性の解析と比較

バイオシミラーの開発においては、独自に製法を確立し、品質特性(構造・組成、物理的化学的性質、生物活性等)の類似性の解析を行い、品質特性の同等性・同質性を確認すると共に、適切な規格、試験方法、工程管理法を設定します。

非臨床試験

バイオシミラーの開発では、新有効成分含有医薬品と比較すると、非臨床試験における検討項目の種類は限られます。しかし、バイオシミラーでもヒトを対象とした臨床試験に先立ち、有効性・安全性を確認するために必要な非臨床試験が実施されます1)

インスリン グラルギンBS注「リリー」では、in vitro薬理試験において、インスリン活性に関する薬理学的特性(受容体結合親和性、受容体活性化能、脂質合成能、細胞分裂促進活性)は、標準製剤との高い類似性が示されました。また、1ヵ月間皮下投与毒性試験(ラット)で、トキシコキネティクスや血糖降下作用、全身毒性プロファイルなどが評価され、標準製剤との類似性が確認されました2)

第Ⅰ相臨床試験

バイオシミラーの開発において、臨床試験では、まず、薬物動態における先行バイオ医薬品との生物学的同等性評価を目的とした臨床薬理試験が行われます1)

薬物動態試験(PK試験)

薬物動態試験とは、製剤を投与した時の体内動態を検証する試験です。バイオシミラーの場合、投与後に製剤の血中濃度を測定し、標準製剤と比較して生物学的同等性を検証します。

薬力学試験(PD試験)

薬力学試験とは、製剤の臨床的効果を検証する試験です。製剤の投与量や濃度と効果との関連を調べます。臨床効果を反映するマーカーがある場合は、PDを指標とした生物学的同等性を検証します。

インスリン グラルギンBS注「リリー」の開発では、第Ⅰ相臨床試験において正常血糖クランプ下におけるPK/PD試験が行われ、先行バイオ医薬品との同等性/同質性が検証されました。PKではCmax(最高血中濃度)とAUC(血中濃度-時間曲線下面積)、PDではGtot(累積グルコース注入量)とRmax(最大グルコース注入率)をパラメータとして標準製剤との比較が行われ、これらの主要パラメータが事前に規定された生物学的同等性の許容域に含まれることが確認されました3)

第Ⅲ相臨床試験

薬物動態(PK)試験、薬力学(PD)試験、またはPK/PD試験で目的とする臨床エンドポイントにおける先行バイオ医薬品との同等性/同質性が確認された場合には、有効性に関する第Ⅲ相臨床試験を省略できる場合もあります。しかし、PK、PDもしくはPK/PD試験の結果を合わせても臨床効果を反映する適切なマーカーがない場合は、有効性の同等性/同質性を検証する第Ⅲ相臨床試験の実施が必要となります。
第Ⅲ相臨床試験では、必要かつ妥当な症例数において臨床的に確立されたエンドポイントにより、事前に許容域を規定し、有効性および安全性における同等性/同質性を確認します。また、第Ⅰ相臨床試験において有効性に関する同等性/同質性が示された場合であっても、免疫原性を含む安全性に関する第Ⅲ相臨床試験を行う必要があります。さらに、臨床試験の情報は限られているので、製造販売後も引き続き安全性を調査することが義務付けられています1)

インスリン グラルギンBS注「リリー」では、2つの第Ⅲ相臨床試験が行われ、主要評価項目であるHbA1cの変化量の差が事前に規定された非劣性の許容域にあり、標準製剤に対する非劣性が確認されました。また、安全性についても標準製剤と同様であることが示されました6,7)

1)「バイオ後続品の品質・安全性・有効性確保のための指針」薬食審査発第0304007号
2) 審査結果報告書
3) Linnebjerg H, et al. Diabetes Care. 2015; 38(12): 2226-33.
4) http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm291134.pdf
5) http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2013/06/WC500144124.pdf
6) Blevins TC, et al. Diabetes Obes Metab. 2015;17(8):726-733.
7) Rosenstock J, et al. Diabetes Obes Metab. 2015; 17(8): 734-741.

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