開発までの道のり

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1型糖尿病患者における臨床成績 第Ⅲ相国際共同試験 [ELEMENT 1試験](インスリン グラルギンBS注「リリー」は以下、本剤/LANTUS®は以下、標準製剤と表記します)

試験方法 1)

目 的 :
成人1型糖尿病患者を対象として、食前のインスリン リスプロと併用した際のインスリン グラルギンBS注ミリオペン®「リリー」及びインスリン グラルギンBS注カート「リリー」(以下、本剤)がインスリン グラルギン(遺伝子組換え)(以下、標準製剤)に対して非劣性を示すことを検証する無作為化、実薬対照非盲検、並行群間比較試験。
対 象 :
成人1型糖尿病患者536例(日本人100例を含む)
薬 剤 :
本剤(268例(日本人49例))及び標準製剤(267例(日本人51例))
投与方法:
本剤又は標準製剤を1日1回皮下投与した。
本剤又は標準製剤の初回投与量は、試験開始前に投与されていた基礎インスリン(1日1回)と同じ投与量(単位)とし、同じ投与時間に皮下投与した。インスリン リスプロは、試験開始前に投与されていた食前インスリンと同じ投与量(単位)を1日3回食前に投与した。また、低血糖の発現を抑えながら、目標血糖を達成できるように、インスリン投与量を調整した。
試験期間:
投与期24週間、継続投与期28週間、後観察期4週間
* 本剤群の1例は治験薬投与前に試験中止

評価項目:
<有効性>
主要評価項目 : 24週時(LOCF)におけるHbA1cのベースラインからの変化量
副次的評価項目: 6、12、24、36及び52週の各評価時におけるHbA1cのベースラインからの変化量、HbA1cが7.0%未満又は6.5%以下を達成した被験者の割合、7ポイント血糖自己測定値(SMBG)、血糖値の被験者内の変動、試験終了時の基礎インスリン及びインスリン リスプロの投与量、体重、BMI、免疫原性(抗体)

* 投与後のデータが欠測の場合に、直前の欠測でないデータを代用する方法。本試験では、24週又は52週の測定値が欠測の場合、LOCF法を用いて投与後の最終測定値を24週又は52週の値として補完した。

<安全性>
有害事象、低血糖、臨床検査値(抗インスリン抗体を含む)、バイタルサイン
<ヘルスアウトカム>
インスリン治療満足度質問票(ITSQ)、成人低血糖調査(ALBSS)
解析計画:
日本人部分集団における本剤の有効性と安全性の主解析との一貫性を評価するために、サブグループ解析を行った。
判定基準:
HbA1c のベースラインからの変化量の差(本剤−標準製剤)の95%信頼区間の上限が0.4%未満であった場合、本剤は標準製剤に対して非劣性であると結論付けることとした。また、その下限が-0.4%を上回った場合、標準製剤は本剤に対して非劣性であると結論付けることとした。いずれの比較でも非劣性が示された場合、本剤と標準製剤の有効性は同等であると判断した。
有害事象:
有害事象は、すべての有害事象及び因果関係を否定できない有害事象(治験薬、疾患及び治験手順との関連)、重篤な有害事象、試験中止に至った有害事象、アレルギー関連の有害事象、注射部位関連の有害事象と規定し、MedDRA ver.15.1を用いて基本語(PT)及び器官別大分類(SOC)別に要約した。発現例数及び発現割合を示し、投与群間の比較を行った。

1型糖尿病患者におけるHbA1cの変化量

HbA1cのベースラインからの変化量(全体集団、FAS) 1-2)
全体集団

最小二乗平均値±標準誤差
ANCOVA(国、基礎インスリン注射の時間[昼間または夕方/就寝時]および治療を固定効果、ベースラインHbA1cを共変量とした)
Δ:標準製剤と本剤のHbA1c変化量の差
〈 〉内はHbA1cのベースライン平均値±標準偏差
Nは最大の症例数

対 象 :
成人1型糖尿病患者536例(日本人100例を含む)*本剤群の1例は治験薬投与前に試験中止
方 法 :
HbA1cのベースラインからの変化量を指標とした有効性評価において、食前のインスリン リスプロ(1日3回皮下投与)と併用した際に本剤が標準製剤(いずれも1日1回皮下投与)に対して非劣性を示すことを検証した。本剤または標準製剤の初回投与量は、試験開始前に投与されていた基礎インスリン(1日1回)と同じ投与量(単位)とし、低血糖の発現を抑えながら目標血糖値に到達できるように、いずれの投与群でもインスリンの投与量をあらかじめ定めたアルゴリズムにしたがって調整した。最大解析対象のうち、ベースライン値及びベースライン測定後少なくとも1点の測定値が存在する被験者の各評価時におけるHbA1c値を評価した(ANCOVAモデル)。
評価項目:
主要評価項目: 24週時(LOCF)におけるHbA1cのベースラインからの変化量
副次的評価項目: 6、12、24、36及び52週の各評価時におけるHbA1cのベースラインからの変化量、HbA1cが7.0%未満又は6.5%以下を達成した被験者の割合、7ポイント血糖自己測定値(SMBG)、血糖値の被験者内の変動、試験終了時の基礎インスリン及びインスリン リスプロの投与量、体重、BMI、免疫原性(抗体)
解析計画:
日本人部分集団、標準製剤前治療集団における本剤の有効性と安全性の主解析との一貫性を評価するために、サブグループ解析を行った。
判定基準:
HbA1cのベースラインからの変化量の差(本剤−標準製剤)の95%信頼区間の上限が0.4%未満であった場合、本剤は標準製剤に対して非劣性であると結論付けることとした。また、その下限が-0.4% を上回った場合、標準製剤は本剤に対して非劣性であると結論付けることとした。いずれ の比較でも非劣性が示された場合、本剤と標準製剤の有効性は同等であると判断した。
安全性 :
52週間の全投与期間において、本剤群で268例中17例(6.3%)、標準製剤群で267例中14例(5.2%)に副作用が報告された。主なものは、本剤群及び標準製剤群で低血糖(10例(3.7%)、9例(3.4%))及び注射部位反応(2例(0.7%)、1例(0.4%))であった。重篤な副作用は、本剤群で10例、標準製剤群で9例が報告され、いずれも低血糖症であった。副作用による中止は、本剤群では本試験において報告されなかったが、標準製剤群では低血糖症が1例報告された。また、副作用による死亡は本試験において報告されなかった(承認時)。
HbA1cのベースラインからの変化量(サブグループ解析、FAS) 3-4)

<日本人集団 2)

最小二乗平均値±標準誤差
ANCOVA(基礎インスリン注射の時間[昼間または夕方/就寝時]および治療を固定効果、ベースラインHbA1cを共変量とした)
Δ:標準製剤と本剤のHbA1c変化量の差
〈 〉内はHbA1cのベースライン平均値±標準偏差
Nは最大の症例数

対 象:
成人1型糖尿病患者536例のうち日本人患者100例
安全性:
治験薬と関連ありと判断された有害事象は、本剤群で2例(4.1%)、標準製剤群で4例(7.8%)に発現した。重篤な有害事象は、本剤群で3例、標準製剤群で6例に発現し、2例以上認められた重篤な有害事象は低血糖症(本剤群2例、標準製剤群4例)であった。有害事象による中止は、標準製剤群で3例、本剤群では本試験において報告されなかった。有害事象による死亡は、本試験において報告されなかった。

その他の試験概要は第Ⅲ相国際共同試験(ELEMENT 1)と同様です。

<標準製剤前治療集団 1)

最小二乗平均値±標準誤差
ANCOVA(国、基礎インスリン注射の時間[昼間または夕方/就寝時]および治療を固定効果、ベースラインHbA1cを共変量とした)
Δ:標準製剤と本剤のHbA1c変化量の差
〈 〉内はHbA1cのベースライン平均値±標準偏差
Nは最大の症例数

対 象:
成人1型糖尿病患者536例のうち標準製剤による前治療歴がある452例
安全性:
治験薬と関連ありと判断された有害事象は、本剤群で14例(6%)、標準製剤群で11例(5%)に発現した。1件以上の重篤な有害事象は、本剤群で17例、標準製剤群で22例に発現した。なお、有害事象による中止、死亡は文献内に記載がなかった。

その他の試験概要は第Ⅲ相国際共同試験(ELEMENT 1)と同様です。

有害事象の概要(FAS)1)

有害事象a 本剤
(N=268)
標準製剤
(N=267)
n(%) n(%)
死亡 0(0) 1(<1)
重篤な有害事象 20(8) 24(9)
有害事象による中止 2 (1) 6(2)
注射部位関連の有害事象 7(3) 3(1)
治療関連有害事象 167(62) 166(62)
 治験薬との因果関係が否定できない有害事象 17(6) 14(5)
 試験手順との因果関係が否定できない有害事象 2(1) 2(1)
 疾患(糖尿病)との因果関係が否定できない有害事象 21(8) 16(6)
アレルギー関連の有害事象 20(8) 11(4)

a 1人の患者が複数のカテゴリーに該当する場合もある
Nは最大の症例数

52週間の全投与期間において、本剤群で268例中17例(6.3%)、標準製剤群で267例中14例
(5.2%)に副作用が発現し、発現割合は本剤群と標準製剤群で同様でした。


低血糖発現率(FAS)1)

発現率
(件/人・年)
本剤
(N=268)
標準製剤
(N=267)
すべての低血糖 77.0±68.7 79.8±74.5
夜間低血糖 16.1±20.2 17.3±19.5
重症低血糖 0.07±0.46 0.08±0.46

平均値±標準偏差
Nは最大の症例数
血糖値が70mg/dL以下または低血糖に関連する兆候または症状が認められる場合を低血糖と定義した。夜間低血糖は就寝から起床までに何らかの低血糖イベントが発現した場合、重症低血糖は低血糖イベントに対して積極的な治療(炭水化物やグルカゴンの投与)またはその他の処置のために第三者の援助が必要になった場合と定義した。

52週時における本剤群の低血糖発現率は標準製剤群と同様であり、臨床上問題となる差は両群間で認められませんでした。

【用法・容量】(抜粋)
  <用法・用量に関連する使用上の注意>(抜粋)  
  3. 中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、以下を参考に本剤の投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性[「薬物動態」の項参照]を考慮の上慎重に行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]  
    (1) インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤に変更する場合:
通常初期用量は、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量と同単位よりも低用量を目安として投与を開始する。
 
    (2) インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合:  
      1) 1日1回投与の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持続型インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。  
      2) 1日2回投与の中間型インスリン製剤から本剤への切り替えに関しては、使用経験がない。  
    (3) インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は中間型インスリン製剤からインスリン グラルギン100単位/mL 製剤への切り替え直後に低血糖があらわれることがあるので、中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更 する場合、併用している速効型インスリン製剤、超速効型インスリンアナログ製剤又は他の糖尿病用薬の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となることがあるので注意すること。  
     

1)Blevins TC, et al. Diabetes Obes Metab. 2015; 17(8): 726-733.
2)承認時評価資料:1型糖尿病患者における第Ⅲ相国際共同試験
3)陣内秀昭ほか: Progress in Medicine. 2015; 35(9): 1497-1506.
4)Hadjiyianni I, et al. Diabetes Obes Metab. 2016; 18(4): 425-429.
これらの試験はイーライリリー社およびベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。

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