インスリン導入ナビ

4回注射:超速効型3回注射+持効型製剤1回注射

内因性インスリン分泌を再現し、厳格な血糖コントロールが可能なレジメンです。

特 徴

  • POINT 1毎食前に超速効型を1日3回、持効型製剤を1日1回注射
  • POINT 2内因性インスリン分泌を再現( 食後高血糖、空腹時高血糖をともに改善)
  • POINT 3食事時間の変動に対応しやすい
  • POINT 4注射回数が多い
  • POINT 5低血糖に注意が必要

適した患者タイプ

  • ・罹病期間が長く、空腹時・食後とも高血糖で、他のレジメンではコントロール不良。
  • ・インスリン作用が高度に低下している場合(1型糖尿病、糖尿病合併妊婦、周術期、清涼飲料水ケトアシドーシス)。
  • ・空腹時・食後とも高血糖だが、罹病期間が短く、糖毒性解除によるインスリン離脱を期待できる。
  • ・インスリン注射に対する抵抗感が小さく、昼食時の注射が行える。

モデルケース

65歳、男性、非常勤勤務

体重:60kg、BMI:20.8、家族歴:父親が2型糖尿病、高血圧
HbA1c 8.1%、GA 24.0%、空腹時血糖 153mg/dL、身体所見異常なし
49歳のとき2型糖尿病と診断。50歳代の時は仕事が忙しく、BG薬、グリニド薬を使用し、通院、治療中断を繰り返していた。61歳からはBG薬の増量と共にグリニド薬を中止し、DPP-4阻害薬を使用しているがコントロール不良。本人も定年退職を機に治療に専念することを決意し、インスリン治療も受け入れている。

投与量の設定

初回投与量

体重×0.2単位/kg=1日総投与量として、朝:昼:夕:就寝前の比率1:1:1:1から開始
例:体重60kgの場合、毎食直前に超速効型3単位、就寝前に持効型3単位(1日約12単位)から開始

投与量の調整:外来受診時の食前血糖値(または食後2時間値)を目安に調節

食前血糖値(食後2時間値) 用量調節
朝食前空腹時≧130mg/dL 就寝前の持効型製剤を1単位ずつ増量。HbA1cが7%台になるまで増量していく
≧130mg/dL(≧180mg/dL) 毎食前の超速効型製剤を1単位ずつ増量。HbA1cが7%台になるまで増量していく
<130mg/dL(<180mg/dL) 投与量は変更しない
<70mg/dL(<100mg/dL)または
低血糖症状発現
責任インスリンを1単位減量

*血糖測定前の直近に投与したインスリン(朝食前血糖値→前日夕食前投与、昼食前血糖値→朝食前投与、夕食前血糖値→昼食前投与)

経口血糖降下薬

  • ・α-GI薬、グリニド薬は中止する。
  • ・SU薬は現在の使用量の半量~最小用量を継続する。
  • ・BG薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬は継続する。
  • ・チアゾリジン薬は、塩分制限をしながら継続してもよい。

SU薬、BG薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、α-GI薬、グリニド薬はインスリン製剤との併用について「併用注意」等となっています。詳しくは各製品の製品添付文書を参照ください。