トルリシティの特性


日本標準商品分類番号 87 2499

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.2 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。]

2.3 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]

DI情報は こちらから

週1回投与

  • 患者さんのライフスタイルに合わせて、毎週同じ曜日に投与
  • 朝昼晩いつでも投与可能

簡単な操作

  • 1回使い切り
  • 操作は3ステップ*
    • 〇針の取り付け、薬剤の混和、空打ちが不要
    • 〇ボタンを押すと自動的に注入
    • * 1. キャップをはずす 2. 底面を皮膚にあてて、ロックを解除  3. 注入ボタンをおす

優れた血糖低下効果

  • 優れたHbA1c低下効果1)~3)
  • 空腹時および食後の血糖値を改善1)~3)
    • 1) 社内資料:日本人2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(GBDP試験)、承認時評価資料
    • 2) 社内資料:日本人2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(GBDY 試験)、承認時評価資料
    • 3) 社内資料:日本人2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(GBDQ試験)、承認時評価資料

安全性

  • 重大な副作用は、低血糖、アナフィラキシー、血管浮腫、急性膵炎、腸閉塞および重度の下痢、嘔吐
  • 主な副作用は、便秘、悪心、下痢などの消化器症状

添付文書の「11.副作用」および「17.臨床成績」の安全性の結果をご参照ください。

週1回投与


トルリシティは、週1回投与。患者さんのライフスタイルに合わせて、毎週同じ曜日に投与します。

トルリシティは、週1回投与。<br>患者さんのライフスタイルに合わせて、毎週同じ曜日に投与します。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。

7.2 投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。

次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ 定めた曜日に投与すること。

なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、 前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。


トルリシティは、GLP-1アナログ領域のアミノ酸置換と、免疫グロブリンG4(IgG4)のFc領域の融合による分子量の増加により、週1回投与を可能にしました。トルリシティの製剤特性を動画でご紹介します。

簡単な操作


注射療法の経験がない患者さんでも99%の方が、「操作が簡単」と答えました(海外データ)

※試験概要

対   象 :注射療法の経験のない2型糖尿病患者214例(平均年齢61歳、平均罹病期間7.7年)

方   法 :アテオスを用いてプラセボを週1回皮下投与し、アテオスの操作が正しくできたかどうかと使用した印象を調査。1回目と4回目は医療機関で、2回目と3回目は自宅で投与。

判 定 基 準 :「とても簡単」、「簡単」、「簡単でも難しくもない」、「難しい」、「とても難しい」の5段階による患者の自己評価。214例中、試験を完了した210例で、「とても簡単」または「簡単」と答えた患者の割合を検討した。

安 全 性 :12.1%(26/214例)に有害事象が認められた。注射部位に関連する有害事象として、出血2例(0.9%)、内出血、硬結および疼痛が各1例(0.5%)に認められた。重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象および死亡例は認められなかった。

Matfin G, et al. J Diabetes Sci Technol 2015; 9: 1071
(本試験はイーライリリー社の支援により行われました、著者にイーライリリー社の社員が含まれる。)

優れた血糖低下効果


インスリングラルギン対照非劣性試験(国内第Ⅲ相臨床試験)

HbA1c低下効果1)

26週後におけるHbA1c変化量は、トルリシティ群‒1.44%、インスリングラルギン群‒0.90%でした。
インスリングラルギン群との群間差は‒0.54%(95%信頼区間〔CI〕:‒0.67,‒0.41)であり、群間差の95%CIの上限が0.4%未満であることから、インスリングラルギンに対する非劣性が検証されました。
また、95%CIの上限が0%未満であったことから、インスリングラルギンに対する優越性が検証されました。

26週後のHbA1c変化量(主要評価項目)
HbA1c変化量(26週後)[主要評価項目]
空腹時血糖値および食後高血糖改善効果1)

26週後における平均食前血糖値の変化量はトルリシティ群‒33.96mg/dL、インスリングラルギン群‒27.81mg/dL

平均食後2時間血糖値の変化量は各々‒47.57mg/dL、‒24.68mg/dLであり、いずれも両群間に有意差が示されました。

26週後の8ポイント血糖自己測定値変化量
HbA1c目標達成率(26週後)[副次評価項目]
ベースラインのHbA1c、BMI別によるサブグループ解析2)3)

トルリシティは、ベースラインのHbA1cや肥満の有無にかかわらず優れたHbA1c低下効果を示しました。

26週後のHbA1c変化量(サブグループ解析)
体重変化量(26週後)[参考情報]

安全性1)


26週後の副作用発現率は、トルリシティ群29.8%(54/181例)、インスリングラルギン群2.2%(4/180例)でした。

トルリシティ群の主な副作用(発現率2%以上)は、下痢8.3%、悪心7.7%、便秘6.6%、リパーゼ増加3.3%、嘔吐2.8%、食欲低下2.8%でした。

インスリングラルギン群では便秘、糖尿病神経障害、異常感、注射部位内出血、末梢性浮腫が各1例に認められました。

重篤な有害事象はトルリシティ群9例(脳梗塞2例、急性心筋梗塞、過形成性胆嚢炎および胆石症、転倒および膝蓋骨骨折、

肝癌破裂、尿管結石、結腸新生物、尿路感染が各1例)、インスリングラルギン群3例(肛門腫瘍、脊髄梗塞、第7脳神経麻痺が各1例)でした。

投与中止に至った有害事象はトルリシティ群6例(湿疹、急性心筋梗塞、脳梗塞、肝癌破裂、嘔吐、体重減少が各1例)、

インスリングラルギン群2例(湿疹、第7脳神経麻痺が各1例)でした。死亡例の報告はありませんでした。

低血糖症の発現割合

※症候性低血糖または血糖値が70mg/dL以下

※症候性低血糖または血糖値が70mg/dL以下

試験デザイン


対 象:食事・運動療法とスルホニルウレア(SU)薬、ビグアナイド(BG)薬の単独または併用で血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者361例(被験薬投与開始4週間前のHbA1cが7.0%以上、10.0%以下)

方 法:SU薬、BG薬の単独または併用下で、トルリシティ0.75mgを週1回またはインスリングラルギンを1日1回就寝前に26週間皮下投与。インスリングラルギンは4~8単位から開始し、目標血糖値(空腹時血糖値70~110mg/dL)に合わせて用量を調節。

主要評価項目:HbA1c変化量

副次評価項目:26週後のHbA1c7.0%未満および6.5%以下達成率、空腹時血糖値変化量、8ポイント血糖自己測定値、体変化量重など

解析方法:26週後のHbA1c変化量の群間差(トルリシティ群-インスリングラルギン群)の最小二乗平均の95%信頼区間の上限が0.4%未満の場合にインスリングラルギンに対するトルリシティの非劣性が、同じく上限が0%未満の場合にインスリングラルギンに対するトルリシティの優越性が検証されるとした。また、26週後のHbA1c変化量をベースラインのHbA1c別(≦8.5%、>8.5%)およびBMI(<25kg/m2、≧25kg/m2)で層別したサブグループ解析が事前に規定された。


<インスリングラルギンの用量調節>

4~8単位/日(0.1単位/kg)から開始し、

空腹時血糖値 70~110mg/dLを目標に用量を調節

※症候性低血糖または血糖値が70mg/dL以下


<インスリングラルギンの平均投与量と空腹時血糖値>

インスリングラルギンの1日平均投与量は、5.0単位から12.5単位に増加

※症候性低血糖または血糖値が70mg/dL以下


1)Araki E, et al. Diabetes Obes Metab. 2015;17:994-1002

(本試験はイーライリリー社の支援により行われ、著者に日本イーライリリー株式会社の社員が含まれる。

また、著者に製造販売会社または販売会社より講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。)

2)Kaneko S, et al. Endocr J. 2017;64:1165-72

(本試験はイーライリリー社の支援により行われ、著者に日本イーライリリー株式会社の社員が含まれる。

また、著者に製造販売会社または販売会社より講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。)

3)浜野久美子, 他. Prog Med. 2019 ; 39:95-103

(本試験はイーライリリー社の支援により行われ、著者に日本イーライリリー株式会社の社員が含まれる。

また、著者に製造販売会社または販売会社より講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。)

社内資料:日本人2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(GBDY試験)、承認時評価資料

8. 重要な基本的注意(抜粋)

8.1 本剤はインスリンの代替薬ではない。

本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態 を確認し、投与の可否を判断すること。

類薬において、インスリン依存状態の患者で、インスリンからGLP-1受容体作動薬に切り替え、急激な高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシス が発現した症例が報告されている。

胃腸症状

単独投与では26週間で、便秘5.4%(15/280例)、悪心4.3%(12/280例)、下痢3.9%(11/280例)などが認められました。
悪心は投与開始早期に発現する傾向がみられました。
また、悪心の持続期間の中央値は2.0日(平均値4.4日)、嘔吐の持続期間の中央値は1.0日(平均値1.3日)でした。

投与時期別の悪心の発現割合(単独投与)

アテオスの使い方(動画)

トルリシティ®皮下注0.75mgアテオス®の使い方

トルリシティ®皮下注0.75mgアテオス®の使い方

アテオスショートムービー 看護師指導編

アテオスショートムービー 看護師指導編

アテオスショートムービー 自宅編

アテオスショートムービー 自宅編

患者さんサポート


トルリシティによる治療を受けられる患者さんへの冊子をご用意しております。
こちらから、冊子のpdfファイルをダウンロードいただけます。

医療従事者説明用

医療従事者説明用


薬物療法に対する負担感を評価する質問表

DiabeticTreatment Burden Questionnaire(DTBQ)

近年の糖尿病治療では、Patient-Centered Approach(患者中心のアプローチ)の考え方に基づき、血糖値だけでなく、患者さんの意向やライフスタイルを考慮した薬剤選択が望まれています。

新しい薬剤の登場によって選択肢は拡大しましたが、その一方で、アドヒアランスの向上は今日も糖尿病治療の課題の1つと言えるでしょう。

アドヒアランス不良の原因は患者さんによって様々ですが、糖尿病を患っていることに伴う「負担感」が治療の障壁になっていることがあります。

これまでにも、糖尿病患者さんの負担感を評価するために、PAID(Problem Areas in Diabetes Survey)やDDS(Diabetes Distress Scale)などの質問表が開発されてきました。しかし、これらの質問表は糖尿病に伴う負担を包括的に評価できるものの、「薬物療法に対する負担感」を抽出して評価するのは困難でした。

Diabetic Treatment Burden Questionnaire(DTBQ)は、薬物療法に対して患者さんが感じている負担に着目し、その評価を目的とした質問表です。日本の2型糖尿病患者さんで信頼性と再現性が検証されています。

思うように血糖コントロールが改善しない、あるいは患者さんの治療モチベーションが低下しているなど、治療の変更を検討しているときや問題解決の糸口を見つけたいときに、この質問表を活用していただければと思います。

患者さんの意向や負担を理解しようとする姿勢は、医師と患者の信頼関係の構築にもつながります。

奈良県立医科大学糖尿病学講座 教授 石井 均

DTBQの概要

※基本情報の収集は必須ではありません

最近1ヵ月間に受けた糖尿病の薬物療法に対する負担感の質問項目(注射薬用)

1)時間どおりに注射しなければならないことが負担
2)忙しいとき(時間帯)に注射しなければならないことが負担
3)注射治療のためにかかる時間が負担
4)注射に伴う痛みが負担
5)注射を忘れてはならないと思うことが負担
6)注射を忘れたとき、気がとがめる
7)外出時あるいは旅行や出張時に注射をするのが負担
8)現在の注射薬では低血糖が心配
9)現在の注射薬は、予定や都合に合わせて注射時間を変更できないのが困る
10)現在の注射を続けることを思うと将来が不安
11)現在の注射薬は、注射にかかる手間が少ない
12)現在の注射薬は、時間にゆとりがあるときに注射できる
13)現在の注射薬は、決まった時間に注射できない時も、時間をずらして注射できる
14)現在の注射薬で、糖尿病が良くなった気がする
15)現在の注射薬は、少ない努力で血糖コントロールができるように感じる
16)現在の注射薬は、食事療法の負担感が小さい
17)現在の注射薬は、糖尿病を治療していく負担感が小さい
18)現在の血糖コントロールの状態に満足している

Ishii H, et al. Diabetes Ther 2018;9:1001

(本研究はイーライリリー社の支援により行われた。著者に製造販売会社または販売会社より講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。)

質問表(PDF)のダウンロード

注射薬物

PDFが別タブで表示されます。

経口薬用

PDFが別タブで表示されます。

臨床研究でのご使用にあたって

DTBQを用いて臨床研究を行う場合は、下表を参考に注射薬用と経口薬用の質問表を使い分けてください。

注1) 「経口薬+注射薬」と「経口薬のみ」、 「経口薬+注射薬」と「注射薬のみ」を比較することはできません。

注2) 「経口薬+注射薬」と「経口薬+注射薬」を比較する場合は、上乗せする薬剤が両方とも経口薬、または両方とも注射薬の場合は比較が可能です。一方、上乗せする薬剤が注射薬と経口薬の場合、両薬剤の比較は適切ではありません。

〔適切な例〕

〔不適切な例〕

<スコアについて> 注射薬用、経口薬用のいずれも質問11~18はリバーススコアのため、「6:まったくその通りである」を0点、「5:かなりその通りである」を1点、「4:ややその通りである」を2点、「3:どちらともいえない」を3点、「2:ややそうではない」を4点、「1:あまりそうではない」を5点、「0:まったくそうではない」を6点に変換して集計してください。

※臨床研究におけるDTBQの使い方に関して詳細な情報やご質問などがある場合は、奈良県立医科大学糖尿病学講座 教授 石井均先生にお問合せください。